SPAIN _ 2010.11.9 - 22

ITARY_ 2010.11.22 - 30

Ortona


 ついにアドリア海に面する、のどかな街オルトナ(Ortona)に到着です。ここでの滞在は海の目の前にあるHotel Mara Le Sale。このホテルのスタッフはとてもフレンドリーで、音楽フェスティバル間の4泊をここで大変楽しく過ごすことができました。
 ここで長年に渡って開催されているのが国際アドリアティコ音楽祭。音楽総監督が友人ギタリストMaurichio di Fulvio氏で、今回が第15回目となります。ここはでは各国から集まった名手によるコンサートが連日行われましたが、その一環として初めてギターコンクール部門も開設され、私は審査員を務めさせて頂きました。
大勢の参加者が競ったソロ部門では、予選、本選と2日かけて行われ、本選はテアトロ・トスティという立派なホールで行われました。そして、アンサンブル部門では、アンサンブル・カンパニージャの皆さんが挑戦、見事な演奏し、優勝を果たしました。デュオ部門では日本人2組が入賞するという結果となり、スペインからの演奏ツアーの終わりに相応しい充実ぶりでした。

最終日の夜は主催者を交えて大勢でパーティとなり、そのレストランに行く道すがら歩いた旧市街の通りは、早くもクリスマスの暖かな飾りが輝いていて、平和そのもの。しかし、その暗がりに見える教会の壁に、数多くの銃弾痕があることを教えられました。実はこの美しく小さな町、オルトナも第二次世界大戦中の1943年11月に、「オルトナの闘い」の舞台として巻き込まれ、罪のない市民が数多く命奪われ、歴史的建造物が破壊されたというのです。それはたった60年前の出来事であり、そこから立ち上がり、再建されるまでの道のりは簡単ではないはずです。今だ世界には果てしない民族や宗教紛争が繰り返されいますが、そんな不毛な争いや憎しみの連鎖がこの世からなくなることを、そしてこのオルトナにいつまでも平和と音楽の宴がの続くことを深く祈るばかりでした。


 パーティーからホテルへ戻るとすでに11時過ぎでしたが、この日が誕生日だったTさんを皆でお祝いしました。サプライズでアイスチョコケーキをホテルが用意して下さり、シャンパンと共にお祝い。それは楽しいひとときでした。それからたくさんの思い出を荷物に詰め込んで出発の準備をし、明け方4時の出発となりました。真っ暗な中、バスへ乗り込み、そのまま一路ローマのレオナルド・ダ・ヴィンチ空港へ。。時々車窓より満天の星空を眺めながらうつらうつらとしているうちに到着。夢心地のまま飛行機へ搭乗しました。途中のアムステルダム、スキポール空港では、大雪のため出発がかなり遅れたため、その間、「誰でも自由に弾いて下さい」というグランドピアノを見つけて何曲か弾き、楽しいひとときでした。


 この旅の出逢いと美しい風景は、今だ私の心の中で輝きを与えてくれています。
 このレポートに最後のページまでお付き合いくださった皆様、有り難うございました!




スペイン、イタリアと続いた音楽の旅レポート、いかがでしたか?
うっかり最後のOrtonaの項だけ未完成のままでしたので、2年前を振り返りながら補完しました。
その時々お世話になった方々に感謝をこめて。。(2012.12.23 YOKO)

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ROMA - ORTONA